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No.007 長靴をはいた猫

 王様は、お姫さまとどうよう、侯爵のりっぱなひとがらに、すっかりほれこんでおしまいになりました。そのうえ、侯爵が、たいへんお金持なのを知って、なおなお、このましくおもいました。そこで、五六ぱい、さかずきをあげてから、王様は、
「どうでしょう、侯爵、おいやでなかったら、姫と結婚してくださいませんか。あなたは、わたしどもにとっては、申しぶんのない方です。」と、いいました。
 侯爵はそのとき、うやうやしく敬礼したのち、王様の申し出された名誉を、よろこんで、お受けすることにしました。そうしてその日、さっそくお姫さまと結婚しました。
 さて、猫吉は、大貴族にとり立てられました。それからはもう、やたらにねずみを取ったりしないで、気らくに、その日その日をおくりました、と、さ。

「世界おとぎ文庫(イギリス・フランス童話篇)
妖女のおくりもの」小峰書店   『猫吉親方』 より

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 この作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用の
イラストとして、雫玖・幻PL様 が作成を依頼したものです。
 イラストの使用権は雫玖・幻PL様 に、著作権は柴司絵師様に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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