アーモンド姫は鷓鴣のような動作で、夜とともに庭にやってまいりました。彼女は青い着物をきて、青い薔薇の花を手に持っていました。
そして柳の葉のようにふるえながら、可愛らしい頭をその木のほうに上げました。けれどもこの羚羊は興奮していたので、枝の中に現れた顔が満月の顔なのか、それともジャスミン王子の輝く顔なのか、いずれとも分かりませんでした。 けれども、このときでした!
まるで欲望に熟した花か、あるいはその尊い重みによって枝を離れた果実のように、菫の髪の若者が木の枝のあいだを離れて、アーモンド姫の足もとに落ちてきました。そこで彼女は、この人こそ自分が希望をかけて愛していた人であったことが分り、しかもこの人が夢のなかの姿よりも美しいことを知りました。